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絵本「会話の国と無言の国」4/7

会話の国と無言の国_4


「無言の国」は、とても静かな国でした。

ウサギは今まで喋り通しで疲れも感じていたので、

はじめのうちはゆっくりと、からだを癒すように過ごしていました。

「もう無理して喋り続けることはないし、らくちんだな」

と、ウサギは思いました。

しかし癒しの時間もそう長くは続きませんでした。

しばらくして、ウサギはとなりの家に挨拶をしようと行ったとき、

巣から出てきた蟻達の対応と、自分の口の動きにに驚きました。

「こんにちは」

ウサギは言いました。

蟻達は頷きました。そして巣に帰っていってしまいました。

「あの…」

と言葉を続けようとすると、自分の口から言葉が出てきません。

「こんにちは」

と言っただけで、その日の言葉は使い切ってしまったのです。