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絵本「扉の向こう」3/6

扉の向こう_3


年月が経ち、男の子は七才の誕生日を迎えました。

男の子は自宅にたくさんの友達を呼び、プレゼントをたくさんもらい、

お母さんの作った甘いケーキを食べ、とてもしあわせな気持でした。

そして夜になると、お母さんはちょっと疲れた様子で、

ソファで横になっていました。

男の子は、うとうとしていたお母さんを起こし、

寝室のベッドまで手を引いて連れて行ってあげました。

「ありがとう」お母さんはベッドの中に入り、男の子の頭をなでました。

「大きく、えらくなったのね」続けて言いました。

「お誕生日おめでとう」

お母さんが眠ってしまうと、家のなかは突然この世界から

色を失くしたような静けさがやってきました。

時計の針はまだ七時でした。

時計のねじはいつもお母さんが寝る前に巻くのですが、

今日はその前にお母さんが眠ってしまったので、男の子がねじを巻きました。

そのとき、男の子を呼ぶ声が聞こえてきました。

「おいで」